KRAS G12C 変異陽性NSCLC へのadagrasib、臨床的有効性示す(KRYSTAL-1) [N Engl J Med, Jul 2022]

Adagrasib in Non-Small-Cell Lung Cancer Harboring a KRASG12C Mutation.

Jänne PA, Riely GJ, Gadgeel SM, Heist RS, Ou SI, Pacheco JM, Johnson ML, Sabari JK, Leventakos K, Yau E, Bazhenova L, Negrao MV, Pennell NA, Zhang J, Anderes K, Der-Torossian H, Kheoh T, Velastegui K, Yan X, Christensen JG, Chao RC, Spira AI.

N Engl J Med. 2022 Jul 14;387(2):120-131. 

2022年7月14日号 NEJM誌掲載の報告。

「KRYSTAL-1試験」の第I相-1b試験でKRAS G12C阻害薬経口adagrasibの臨床的活性および忍容可能な有害事象プロファイルは既に確認されていた。プラチナベースの化学療法と抗PD-1/抗PD-L1抗体による治療を受けたKRAS G12C変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して、adagrasibの有効性を評価した第II相試験は米国・ダナ・ファーバーがん研究所を中心に行われ、その結果が発表された。

同試験第II相コホートでは、プラチナベースの化学療法と抗PD-1または抗PD-L1抗体による治療を受けたKRAS G12C変異陽性のNSCLC患者を対象に、adagrasib(600mg経口投与、1日2回)の投与を評価した。主要評価項目は、盲検化された独立中央レビューで評価した客観的奏効(OR)。副次評価項目は、奏効期間、無増悪生存(PFS)、全生存(OS)および安全性などだった。

 2021年10月15日時点で、計116例の適格被験者がadagrasibによる治療を受け(追跡期間中央値は12.9ヵ月)、うち98.3%が化学療法と免疫療法両方の既治療者だった。ベースラインで測定可能病変のあった112例中、ORが認められたのは48例(42.9%)、奏効期間中央値は8.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:6.2~13.8)、PFS期間中央値は6.5ヵ月(4.7~8.4)だった。2022年1月15日時点(追跡期間中央値:15.6ヵ月)で、OS中央値は12.6ヵ月(95%CI:9.2~19.2)だった。中枢神経系統に転移を認めた既治療患者33例において、頭蓋内OR率は33.3%(95%CI:18.0~51.8)だった。治療関連の有害事象は97.4%で認められ、うちGrade1/2が52.6%、Grade3以上が44.8%(Grade5の2例を含む)、投薬中止は6.9%だった。

結論としては、プラチナベースの化学療法と抗PD-1/抗PD-L1抗体による治療を受けたKRAS G12C変異陽性のNSCLC患者に対して、経口adagrasibは、臨床的有効性を示し新たな安全性シグナルは認められなかった。

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